抹茶に親しむはじめの一歩【ワークショップ:大人のお茶学】

 

12月の初めごろ、nana's green tea 自由が丘店では、酒井知子先生による抹茶のワークショップが開催されました。

「大人のお茶学 ─抹茶を知る─」と題された、ワークショップの会場から今回はお届け。

 

 

■ 講師:酒井知子(さかいともこ)先生

NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター。

「美味しい日本茶と、それにまつわる伝統工芸品を後世にも遺したい」という想いから、ワークショップや記事執筆などで日本茶の魅力を発信しています。

日本茶の楽しさやワクワク感を感じていただけるように、ライフスタイルに合う取り入れ方をご提案しています。

日本茶についての理解を深めたいという思いから、約20年ほど前に「日本茶インストラクター」の資格を取得。

公式HPはこちら

 

 

ワークショップ当日はあいにくの薄曇り。

冬の気配がする中、参加者の皆さまが集まってきました。

抹茶に興味を持ったばかりの人や、酒井先生と同じ「日本茶インストラクター」 を目指されている人など、様々な人がいらっしゃいます。

 

 

 

nana's green tea 自由が丘店の、いちスペースに茶釜を用意し、ワークショップはスタート。

普段は使用されていない、畳仕様のテーブルが、気分を盛り立ててくれます。

まずはお茶の歴史など、お茶にまつわる知識の講座から始まりました。

 

抹茶の歴史は今から約800年前に遡ります。

鎌倉時代、栄西(ようさい)という臨済宗のお坊さんが、お茶の効能や、栽培方法などの知識を、中国から持ち帰り広めたことが始まりです。

それから禅宗のお寺を中心にその文化が引き継がれていき、村田珠光(むらたじゅこう)、武野紹鴎(たけのじょうおう) 、そして千利休(せんのりきゅう)へ……。

ところどころユーモアも交えながら語る酒井先生の言葉からは、お茶そのものに対する想いや、 そういった文化を楽しく学んでほしいという想いが感じられます。

 

 

 

「千利休」─抹茶がお好きな方なら名前を聞いたことがあるでしょうか。

千利休は、織田信長、豊臣秀吉の両方に、茶の湯を取り仕切る人として仕えていた人物。

茶の湯のための建物を作ったり、意匠をこらした様々な道具を新たに開発したり、「お茶室や道具はお茶を引き立てるためのものである」と唱えた方でもあります。

「現代風に言うと、敏腕プロデューサーのような人」というのは酒井先生の談。

 

そんな千利休によって作られたお茶室には、現在まで残っているものもあります。

実はその中のひとつ「待庵(たいあん)」という茶室は、nana's green tea ららぽーと海老名店の店舗デザインのコンセプトにも取り入れられているんですよ。

 

(「待庵」の"小舞天井"から発想を得たららぽーと海老名店の内装)

 

さて、 一通り抹茶に詳しくなったところで、後半は実際にお抹茶を点ててみようという体験に移ります。

まずは道具のご紹介から。

 

 

 

上の写真一番手前は「棗(なつめ)」。

抹茶を入れておく道具です。

一度漉して細かく振るった抹茶を、富士山のようなかたちにして入れます。

写真の棗は酒井先生のおばあさまの形見とのことで、香川県の蒟醤(きんま)という漆器なのだそう。

 

その隣は「お茶碗」と「茶杓(ちゃしゃく)」。

茶杓は、棗から抹茶を掬って茶碗に入れる道具ですが、ご自宅で抹茶を点てる場合などは、棗・茶杓は使用しないことも多いです。

 

その隣は「茶筅(ちゃせん)」。

抹茶を点てるための道具ですね。

古くから使われている茶筅は竹製。

nana's green teaで抹茶を点てるのに使用しているのも、竹製の茶筅です。

 

しっかりしなるため点てやすい茶筅ですが、 現在では樹脂製の茶筅も販売されており、今回ワークショップで使用したのは樹脂製の茶筅でした。

 

樹脂製の茶筅は、なんと分解できます!

竹製のものよりも丈夫で、食洗機で丸洗いにできたりなど、取り扱いやすく、衛生面でも心配が少ないのが樹脂製の茶筅です。

 

それでは、抹茶の点て方を実践していきます。

今回は2通りの点て方をご紹介。

はじめに酒井先生がお手本として点て、参加者の皆さまがその試飲をして、好きな方法でご自分でも点ててみるという流れです。

 

まずは、通常の点て方。

茶道のお点前をきっちり行うというわけではなく、自宅でも簡単に点てられるように、組み立てられたものです。

 

2グラムの抹茶を、茶漉しで漉して、そのままお茶碗に入れてしまいます。

 

 

そこに85度程度のお湯を60ミリリットル入れて……

 

茶筅を使って点てていきます。

手のスナップを使って、手首にはあまり力を入れずに動かすのがポイント。

抹茶にこんもりと泡が立ちましたね。

 

ふたつめの点て方は、裏技のような点て方なのですが……、こちらはぜひワークショップに参加して、体験してみてくださいね。

 

最後は、それぞれ選んだ方法で抹茶を点て、nana's green teaの抹茶ガレットとともに抹茶をいただき、ワークショップは終了です。

 

終始和やかに行われた「大人のお茶学 ─抹茶を知る─」ワークショップ。

抹茶や茶道は堅苦しいばかりのものではなく、もっと気軽に触れてみて、楽しんでほしいという先生のお気持ちが場を温める、とても親しみやすい体験会でした。

 

 

 

今回はnana's green teaで行われたワークショップですが、初心者向けのカジュアルなものから、今回のような中上級者向けのものなど、関東近郊での開催や、オンラインレッスンも充実しています。

酒井先生は、日本茶の魅力を発信する記事などの執筆もされていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

■ 講師:酒井知子(さかいともこ)先生

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