抹茶を育むお茶畑【京都府宇治市】

 

ここは京都府・宇治のお茶畑。

平等院鳳凰堂の横を通りすぎて、山道を登っていくと、山の斜面にお茶畑が広がっていました。

 

訪れたのは五月中旬。

ちょうどみずみずしい新芽が芽吹く、茶摘みの季節です。

 

夏の太陽を思わせる眩しい日差しの日でしたが、お茶畑は黒い覆いがされていて、ほんの少し快適。

ここでは、碾茶(てんちゃ)になる茶葉を栽培しています。

 

碾茶とは、抹茶の原料の茶葉のこと。

新芽が出てきてから茶摘みをするまでの間に、この黒い覆い「寒冷紗(かんれいしゃ)」を用いて日光を遮って育てます。

そうすることで、渋みが抑えられ、お茶独自の旨味をたっぷり蓄えた、薄く柔らかい葉に成長します。

 

 

 

こちらの茶園で、茶摘みの体験をさせていただきました。

枝の先が、茎から明るい黄緑色になっていることがわかるでしょうか?

ここが、新芽の部分。

この部分を丁寧に、手で摘み取っていきます。

黄緑色の枝の根元を手でつまんで、手首を倒すと、ぽきり、と軽い感触で枝が折れました。

 

摘み取った新芽は籠に入れて、また次の新芽へ……。

鮮やかな新茶の黄緑色が積み重なっていきます。

 

この日は朝の早いうちから、お茶摘みさんたちが作業をされていました。

手際良く、新芽がつぎつぎと摘まれていきます。

 

お茶摘みさんたちは一日に20kg近くの新芽を摘むのだそう。

籠ひとつにはおよそ1kgくらい入るそうなので、およそ籠20個分……!

摘み取られたあとのチャノキは、見事に新芽の部分のみがなくなっています。

 

手摘みでは、お茶摘みさんたちがひとつずつ目視しながら新芽を摘むため、製茶をする際に不要になる部分が混じりにくくなります。

柔らかい茎の部分から葉の先まで、千切れてしまうことなく摘み取れることもポイント。

見た目も味も洗練されたお茶づくりは、手摘みの工程からすでに始まっているのですね。

 

ここで摘まれた新芽はすぐに製茶場へ運ばれて、抹茶へと加工されます。

 

お茶畑そのものは、見かけたことのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

けれどその中に入ってみたり、その植物をまじまじと眺めてみることは少ないですよね。

この「お茶辞典」というコーナーでは、お茶にまつわる様々な豆知識などを、わかりやすくお届けします。

「お茶」のことをもっと詳しく!知ることで、「お茶」を楽しむ毎日に、より豊かな彩りを。

 

ぜひ次回の記事もお楽しみに!

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