もっと知りたいお茶のこと ②お茶の品種
前回の記事では、「チャノキ」についてお届けしました。
次はその「チャノキ」の種類について、みていきましょう。
「チャノキ」ももとは自然の中で生きてきた植物。
それを品種改良しながら、安定的に美味しいお茶を作れるように育ててきた歴史があります。
そのため私たちは「チャノキ」という同じ植物の中でも、「品種」と「在来」という呼び分け方をしています。
「品種」は、「チャノキ」を品種改良し、安定的に生産できるようになった種類を、農林水産省に品種登録したもの。
「在来」は、品種改良や品種登録をされておらず、昔から自然の中で自生していた種類。
お茶の栽培に適した種類と、自然に生えていた本来の種類を呼び分けているんですね。
ちなみに、現在栽培されているお茶の 97%は「品種」のお茶になります。
「品種」のお茶は、さし穂でお茶の苗を増やしていきます。
さし穂とは、健康な木から枝を切り取り、それを植えることで苗を増やしていく方法。
そうすることで、親になる苗と同じ品質を保つことができます。
「品種」のお茶は、細かい根を横に広げていく性質を持ち、「在来」のお茶よりもよりうまみを蓄えることができるように改良されているのだそう。
同じ面積で取れる収穫量も「品種」の方が「在来」より多いのも特徴です。
対して「在来」のお茶は、種から育つことが多く(これを実生(みしょう)といいます)、そのため苗によって特性が異なります。
同じ味のお茶を安定的に供給するには、「品種」のお茶が向いているのですね。
また、お茶の 「品種」の中にもたくさんの種類の苗があります。
「やぶきた」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
この「やぶきた」は「チャノキ」の品種の名前。
ちなみに「宇治茶」や「八女茶」などの銘柄は、産地の地名から名付けられたもの。
「チャノキ」の品種としては、日本各地の産地の大半で「やぶきた」が育てられているんですよ。
それではなぜ、「やぶきた」はこんなにもたくさん育てられているのでしょうか。
次回の記事では、その「やぶきた」について、迫っていきます。
また次回をお楽しみに。
「お茶辞典」は、お茶にまつわる様々な知識や、日本茶の美味しい入れ方、抹茶のアレンジレシピなどなど、お茶をさまざまな角度から楽しむ読みものです。
「お茶」のことをもっと詳しく!知ることで、「お茶」を楽しむ毎日に、より豊かな彩りを。
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