【nana's green tea 2025年福袋】出涸らし茶葉が紙に変身②飲むだけではない日本茶の楽しみを発見【再生紙ノート・しおり】
前回の記事では、ノートの表紙やしおりに使用する再生紙を作る工程の、前半をお届けしました!
ついに紙を漉く直前の繊維ができあがった前回。
そこからどうやって、私たちのよく知る「紙」が作られていくかを見学しましょう。
今回も「山陽製紙株式会社」さんの工場からお届けします。
あとは漉かれるのを待つばかりの原料。
ここから活躍するのは、大きな大きな機械たちです。
(とても写真には入りきりません……)
この大きな機械の下に、原料を入れておく水槽があります。
近寄ってみると、こんな感じ。
右下が水槽になっており、ここに原料が張られています。
ここから紙の繊維だけをすくい取っているのが、左下に見える銀色のドラムの部分(このドラムは、右から左の方向へ回っています)。
写真だとわかりづらいので、図にしてみました。
上の写真には、図の下半分、原料と大きなドラムが写っています。
大きなドラムは表面が網状になっているので、原料の水槽の中から、紙の繊維だけを取り出せるんですね。
手漉き和紙でいうと、簀(す)や簀桁(すげた)のような役割です。
(手漉き和紙の作り方については、こちらの記事をご覧ください)
そのままドラムがぐるりと回り、
図では上に書かれている小さなドラムが、上の写真に見えているもの。
これに巻き付けてある毛布に、紙は移っていきます。
(写真上では、左から右の方向へ動いています)
ここで毛布を使って紙をプレスしていくため、出来上がった紙も、片面はつるつる、もう片面はざらっとしているんですよ。
ノートの表紙やしおりでも、確かめてみてくださいね。
写真は、上のドラムを正面から見てみたところ。
手前から奥の方へ、紙が送られていきます。
白いシート状の紙の、ところどころに見える斑点が、茶葉です。
しっかりと紙の繊維に茶葉が入っているのが、この時点ですでにわかりますね!
ようやく、私たちのよく知る、シート状の「紙」のかたちになりました!
このあと、まだ濡れている紙を、乾かしていきます。
どうやって乾かすのかというと……
これも大きなドラム! (上の写真右側)
高温のドラムに紙を巻き付けて、動かしながら熱を加え、裏表交互に乾かしていきます。
そんな工程からもわかる通り、実はこの工場内、すごい熱気です!
大きな機械を動かしていたり、熱で紙を乾かしたり……、作業員さんたちの汗が光ります(扇風機も大活躍!)。
そうしてしっかりと紙を乾かせば……、
ついに紙ができあがりました!
丁寧にロール状に巻き上げて、これで茶葉の再利用紙は完成です。
出来上がった紙のひとかけらを、特別に見せていただきました。
手に持つとまだ温かく、しっかりと茶葉が入っているのがわかります。
工場見学はここまで!
これからこの紙は、印刷所へ運ばれ、デザインを印刷。
そしてノートやしおりへと加工されていきます。
ちなみに例年、福袋に入っている、それぞれの商品をご説明するリーフレットも、今年はこの茶葉の再利用紙に印刷しました。
(上の写真は、機械で作る前に、サンプルとして手漉きで作成したもの)
今回製造していただいたオリジナル紙は、混抄紙(こんしょうし)と呼ばれます。
混抄紙とは、紙を作る際に、パルプ以外の素材を混ぜ込んだ紙のこと。
nana's green teaでは、出涸らしの茶葉を混ぜていただきましたが、古着やコーヒーかすなど、いろいろな素材を砕いて混ぜることができます。
廃棄物の再利用や、いろいろな想いを伝える紙を、作ることができる技術なんですよ!
(しおりは4種類の絵柄のうち、どれか一枚が入ります)
2025年福袋には、古くからの技法で、手漉きで一枚ずつ漉かれる「越前和紙」と、新しい技術を駆使し、同じ品質でたくさんの量を作る「再利用紙」の二種類の「紙」を使った商品が入っています。
工程を見ていくと、まったく違うものを作っているようにも見えますが、違う道具や技術で、同じような手法を行なっている部分もありますね。
どちらも同じ「紙」。
ぜひそんな「紙」の作られ方の違いや、「お茶缶」「ノート・しおり」の触り心地や見た目の違いを、お手にとってお楽しみください。
<nana's green tea 2025年福袋>
各店舗でのご購入について詳しくはこちら。
公式オンラインストアでも販売します。
nana's green tea 2025年福袋。
出涸らし茶葉を使用したノート・しおりはどちらのセットにも入っています。
これからひとつずつ商品の紹介をしていきますので、実際の商品と合わせて、nana's journalの記事もお楽しみに。
ひとつひとつの商品が、きっともっと素敵に楽しめますよ。
<これまでの特集記事>
お茶缶①:伝説を現代に受け継ぎ、未来へと繋ぐ 清水と技術で作り上げる越前和紙【福井県越前市】
お茶缶②:和紙の手触りを暮らしのそばに 山次製紙所が目指す"「あたりまえ」の和紙"作り【越前和紙】
ノート①:出涸らし茶葉が紙に変身①生まれ変わる工程を見つめる【大阪府泉南市】
「山陽製紙株式会社」
公式HPはこちら・公式Instagram(@sanyo_paper)
pick up
おすすめ記事